Benefit Realize(ベネフィットリアライズ)〜人を稼ぐ〜

Interview

人間的であり思いやりがある究極のサービス業だから、誇りをもって発展させていく

葬儀というものへ価値観が大きく変わっている昨今、葬儀屋のサービススタンスも枝分かれしている。そんな中、サービスクオリティを高めながら、あくまで人間的な感動を大事にしているのが、セレモニー博善株式会社だ。「正直さ」「誠実さ」という、人の根本的な道徳観を失わない葬儀の在り方を代表取締役・橋本龍弥氏が語り下ろす。

――16年前、思いがけず家業を継がれることになったそうですが、その経緯は?

橋本

父親がやっていた葬儀屋を継ぐと決めていましたが、最初から父親のもとではなく、まずは外の葬儀屋で修行をしていました。そんな折、父親が急逝して、23歳にして家業を継ぐことになってしまったんです。父親と比較され、若いというだけで信用を得られず、仕事は激減。さすがにへこたれそうになりましたが、なんとか3年ほどかかりましたが信用を取り戻すことができました。

――軌道に乗せるまで、どのような工夫をなさったのですか?

橋本

とにかくひとつひとつ丁寧に信用を積み重ねるしかないわけですよ。それ以外に方法がない。このあたりはいわゆる田舎ですから、地域のつながりが強いという特徴があります。田舎は、最初の取っ掛かりは難しいですが、一度懐に入れてくれたらとても優しいんです。最初は「若造に何ができる?」だったのが、一度信用をつかむと地域が一気に味方になってくれるんです。幸いにして、昔からのお客様や、親戚、私の同級生の親だったり、近くに少なからず味方もいましたから、着実に行動して今があると思っています。

――葬儀において、御社はどのようなことを大事になさっているのですか?

橋本

「思いやりあふれるお葬式」をテーマにしていまして、人間味のある感動的なサービス品質は特に大事にしています。思いやりというのは、相手の立場に立って、その人がどうすれば満足し喜んでくれるかと考え抜くことにほかなりません。その思いやりを持つためには、まず私を含めた社員ひとりひとりがご遺族やお送りする方に対して誠実でなくてはならない。正直であり、人間として正しい行いをできる会社であり社員であり……そしてこの地元の地域人でありたい。

――感動的なサービスというのはどのようなものでしょうか?

橋本

端的にいえば、お客様の期待を上回る行動をすることですね。勘違いしてはいけないのが、感動の種類をはき違えないこと。音楽や映像などで演出する感動だけに甘んじては、時間の経過とともに薄くなってしまうのです。思いやりをもって行うサービスこそ、ずっとご遺族の心に残る感動につながっていく。私はそう信じています。そして当社のサービスが間違っていないということを証明してくれる、お客様のアンケートもあります。100%の率で、満足しているというご回答をいただけているのは大きな励みになりますね。

――近年では価値観の多様化によって、葬儀の形も変わりつつあるようですが?

橋本

そうですね。昔に比べて、家族葬や直葬などがかなり増えたと感じています。葬儀そのものを行うことに価値を感じない人が大変増えているというのも、時代的な特徴でしょうか。とらえようによってはとても寂しいことですが、これは私たち葬儀社にも責任の一端があると考えています。

――その責任とは?

橋本

たとえば、葬儀社のWEBサイトを見ても「直葬〇〇円~、家族葬〇〇円~」というように、葬儀のやり方と価格だけをカタログ提示してしまうところが少なくない。葬儀屋は分類すれば確かにサービス業ではあります。でも、そこには人間の「心」というものがとても深く関わってくるわけですから、葬儀を行うことの本当の意味を理解してもらって、「やってよかった」「きっと故人も喜んでくれているよね」とご遺族が思え、送り出していけるお葬式を手掛けなくてはいけないと思うわけです。サービスシステムとして便利にすべきところと、そうではないところ。この境目をなくしてしまうのはよくないと考えていますね。

――今後はどのような展開を考えていますか?

橋本

サービスシステムとして進歩すべきところと、利便性だけにとらわれないところの両面を大事にしていきたいと考えています。たとえば、ご近所の方などが行う葬儀での受付業務は負担が軽くなるようなシステムを作っていく。葬儀終了後にご遺族が見やすい、きれいな香典帳を受け取れるように、自社でエクセルフォーマット「エクセルで香典帳」を開発したりしたのはその一例です。現在、月間5000以上のダウンロード数があり、同業他社からの問い合わせも多いので、より力を入れていきたいところですね。また従来の白木祭壇より生花祭壇に力をいれており、洋風庭園や水をテーマにした「コンセプト祭壇」も好評です。そのようなヴィジュアル面での多角化、多様化も進めています。現在、女性専用のプランを開発中ですので、近くお目にかけられると思います。

感動の本質を見失わない。すべてが簡単でシステマチックになっている現在だからこそ、最後の見送りを手掛ける葬儀会社こそ、人が大事にすべき、本当の価値観を見失ってはいけない。

橋本社長のインタビューからは、そうした思いが強く伝わってきた。