Benefit Realize(ベネフィットリアライズ)〜人を稼ぐ〜

Interview

日本初で世界を豊かにしたい。ベトナムで取り組んでいる、社員のための教育とは。

国内ではマイクロソフトのクラウドシステム開発を、ベトナムでは日系で初のM&A仲介事業を手掛ける石川直樹氏。9年前にベトナムに新天地を見出し、オフショアの開発会社を作ったことをきっかけに、ベトナムの潜在的な魅力に気づいていく。日本とベトナム、異なる文化で汗を流す社員たちへの思いを聞いた。

――ベトナムに進出した経緯は?

石川

20年前に国内でITをやり始めたときから実は海外志向はあったのです。
早い段階で現地法人を作ろうと思っていましたから。
当時はベトナム、中国、インドが候補に挙がっていましたが、周囲からは「これからはベトナムだよ」という声が強くて。

たまたま現地へ行ったときに、その活気や雰囲気に魅了されて「やるならばベトナムだ」と心に決めたのです。

――最初は異文化の違いに戸惑いませんでしたか?

石川

確かに、日本とベトナムでは、仕事への取り組み方が大きく違うと感じました。
ベトナムでは就業時間が8:00~17:00だとすると、16:00ごろには荷物を片付け始め、16:30ごろになると帰宅へのカウントダウンが始まってソワソワし始める。そして17:00になると同時に会社を出るというのが当たり前。

彼らは家族や友達とすごす時間を日本人以上に大事にするので、オンオフの時間をはっきり分けているんですよ。

――そこで日本式の考えをお伝えしているのですよね?

石川

彼らの価値観はもちろん十分にわかって大事にしたうえで、私の考えを伝えていますね。
「終業時間だけを意識すると、仕事を中途半端に切り上げてしまうことになりかねない。もしまだその日のうちにやらなくてはいけない仕事があるなら、あなたが今日中にやりきらなかったことによって相手が困るかもしれない。もしお客さんがあなたの家族や友だちだとしたら、彼らが困らないようにしてあげたいでしょう?」と彼らの目線を取り入れながら、私たちの考えを伝えてきたのです。

でも日本とベトナムのハイブリッド哲学を創り出して、いい仕事をしてもらうのが最も理想的な形だと私は考えています。日本式ばかりを押し付けてもいけない。

――その意識で接して、どのような変化がありましたか?

石川

実は、彼らの方から自発的に行動を変えようという姿勢が見えてきました。もちろん残業を推奨はしていませんから、「これは今日中に片付けよう」「でも、これは明日でもいいよ」などと線引きしながら管理しているのですが、最近では彼らが自発的に中長期のスケジュールを考えながら仕事の割り振りができるようになってきました。

「みんなが幸せにならないと自分も幸せにならない」という哲学が根付いてきて、それこそ、当社らしい文化だと嬉しく感じています。

――そんな社員のみなさんを大事にするために、どのような工夫をなさっていますか?

石川

できるだけ彼らに、ビジネスパーソンとしてのスキルと責任感を持ってもらおうと教育には力を入れています。

それは当社が発展するためという理由ももちろんありますが、第一には、もしこの会社から離れたとしても、培ったスキルや知識をもとにより高水準の生活を維持できるビジネス基幹を作ってあげたいのです。「もし会社がなくなったとしても、自分で活路を見出せるように、それなりの実力をつけてほしい」といつも彼らには言っています。会社が生涯面倒を見られるわけではないですし、スタッフもそれを期待してはいない。

だったら、在籍しているうちに、自分の血肉にできるところはしてほしいと思って、そのための協力は惜しんでいません。

――それが彼らの夢の実現につながるといいですね。

石川

自分で起業してもいいでしょうし、他社へ移ったときにも安定して高収入を得られるようにしてあげたいですね。

自分たちのお金で好きなように旅行をしたり、子息の教育にお金をかけたり、彼らの夢を実現するための一つのきっかけになれたらいいですね。それも当社でできる福利厚生のひとつだと考えています。

今後はアフリカ進出という夢も描いている石川氏。業種業態にこだわらず、結果になることを追い求め、社員の未来を見据えた経営をしていくと新たに誓った。「日本初で世界を豊かに」。石川氏の掲げるこの理想が、これからどう実をつけるのか楽しみなところだ。