住宅を購入する際には、ほとんどの人が金融機関からの借入(ローン)によって購入するかと思います。住宅ローンは30年以上にも渡る長い期間返済し続けて行くものですから、返済についてもある程度の見通しを立てたいと思うのは至極当然の考え方といえます。そこで借入に際して頭を悩ますのが、金利の選択についてです。TVや新聞紙面を賑わせているのは、『固定金利か変動金利か』

と云う話ですが、ここで金利のタイプについて説明しましょう。

 

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全期間固定金利型は、返済期間中の金利が不変で最初から返済金額に対しての利息額が分かっている場合となります。ですから、毎月の返済額と返済年数、総返済額がわかっていますから、返済計画を立てやすいともいえます。しかし、低金利の局面においては、固定金利はその恩恵にあずかる事が出来ない為、かえって支払額が多くなる場合もあります。よって、金利変動の一喜一憂に晒されたくない人や、マーケットニュースに関心の低い人、金利変動時の機動的対応が難しい人、返済計画はある程度見通しを立てておきたい人(返済額が上昇すると、家計的に困る人)は全期間固定金利を選択するのが良いかも知れません。

 

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固定金利選択型は、借入当初の金利を2~15年間だけ固定金利とし、それ以降は変動金利へ以降したり、再度固定金利選択型を選択したりする場合の仕組です。当初の固定金利期間が短いほど、低い金利となります。期間固定は、教育費などの負担がある間の金利変動リスクを負わないですむよう、固定金利期間を中期で確保しておきたい人に向いている目的形の仕組ともいえます。ただし、固定金利期間終了後の金利変動(上昇)時においては、金利変動幅や返済額について上限などは設定されていないため、大幅に金利が上昇すると返済額が膨らみ家計を圧迫する可能性があるので注意が必要です。

 

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変動金利型は、通常年2回の金利見直しがあるが、多くの金融機関では、一般的に、毎回の返済額の改定は5年ごとで、かつ改定後の返済額が従前の1.25倍以内になるというルールが設定されています。

 

変動金利は市中金利に影響される為、低金利の情勢下では大きな恩恵を受ける事が多く固定金利よりも有利になる場合が多いのですが、半年ごとの金利上昇幅が無制限なため、金利が大きく上昇すると元本が減らず、未払利息まで発生するリスクがあります。

よって、通常の固定金利型や固定金利選択型に比べると圧倒的に低い金利で借入可能の為、繰上げ返済をして早期返済を目指す人や、借入額が少ない人にとっては、固定金利以上にメリットのある制度と言えます。

 

市中金利の変動に一喜一憂するか否か、豆に経済新聞の金利動向をチェック出来るか否か、また金利が変わらない安心感を少しの割高な金利で安心料として買うのか、それとも低い金利で支払額を可能な限り圧縮したいのか。そう、全てはお客様次第なのです。

 

また、住宅ローンを利用するに際して検討する材料の一つに、フラット35と云う仕組があります。先ほどまで金利について話しましたが、住宅ローンを35年で組む場合、消費者としては低い固定金利を長期間借り入れられれば良いですが、金融機関にとっては金利は営利に直結するものです。金利上昇局面における固定金利は金融機関にとっても致命的ですから、変動金利が魅力的に見えてきます。そうすると、返済計画の立てやすい固定金利は世に普及しなくなる為、住宅金融支援機構の支援の下、民間金融機関の全期間固定金利住宅ローンの貸し出しを支援する制度として生まれたのが、フラット35なのです。

 

メリットとしては、一般的な金融機関が積極的に実施しない全期間固定金利型の住宅ローンである事と、借入に際しての保証料及び繰り上げ返済手数料が不要などが上げられます。一方のデメリットは、借入までの審査に時間を要する場合が多い(平均2週間以上)事と、銀行ローンでは込みになっていることの多い団体信用生命保険が別途申込になる点が考えられます。又その保険料も意外と高く、年度毎更新となりますが毎年1回借入残高に対して1,000万あたり28,300円の支払額となります。残高が減れば保険料も下がりますが、これは条件次第では民間の低減定期(若しくは所得保障保険)のほうがお得になる場合もおく、安易に低金利と長期間固定金利と云う条件に惑わされず、その他所費用も含めて、総合的な判断をする事が、金利の選択及び支払い方法の選定においては求められるでしょう。