一瞬の目視にチャンスを見出す。
情報を引き出し社会へ伝え続けること。
昨今、インターネットの躍進により、新聞離れがますます深刻化している。が、しかし、新聞が配達されないからといってポストをチェックする回数は減っただろうか?そして、ポストを開ければチラシを見ないでいられないのが人間の性というものだろう。「チラシ」は世界最古の広告といわれ、その歴史は紀元前2000年ごろに遡り、江戸時代には「引札」と呼ばれ親しまれた。「引く」とは配る事を意味したそうだ。そして時代は「ポスティング」へ。株式会社 エーヴィックコムは、茨城県を拠点としてポスティング業界を長きに渡り牽引して来た企業。現在では、ポスティングに留まらない幅白いサービスを展開している。今年で20周年を迎えた代表に、これまでの想いを伺った。
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会社設立が1998年ということで、アニバーサリーですね。おめでとうございます。
- 安倍代表
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そうですね、今年でちょうど20年ですね。アニバーサリーです。何か式典をさせて頂こうと思っていますよ。
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もともと、代表は広告畑というか、こういった業界のご出身だったんでしょうか?
- 安倍代表
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いえいえ、以前は全く違う業種畑でした。コンピュータソフトウェア会社に働いていて、39年に退職しました。その後、現在のポスティング事業を始めました。きっかけは、知人に理工会社をやっていた人がいて、チラシを配りたいとの話があり、手伝ったのが始まりです。
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当時は、まだ新聞折込が主流の時代でポスティングの認知も、現在ほどないですよね。ご苦労されたのではないですか?
- 安倍代表
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どうやるべきか、右も左もわからなかったです。情報もありませんでしたし、周りにもそういった仕事をしている知人もいませんでした。当時「宅配ピザ テン.フォー」という北海道の函館発祥の宅配ピザ屋さんがありまして、ポスティングを委託して頂けないかと話をしたところOKを頂けたのですが、受け方もわかりませんでした。例えば、時給なのか?はたまた日給にすればいいのか?とかね。1つ1つ手探りの中、1枚単価という形でA4サイズからスタートして、次にはB4サイズなども対応可能か問い合わせを頂いて、また価格を決めて進んで行くというような、本当に一からのスタートでした。
あの当時、ポスティングの仕事を始められた方は、私のように右も左もわからなくて苦労されたと思います。現在は、ボーダーラインが業種としてある程度固まってきましたが、まだまだ新興業界です。現在でこそ、一般社団法人日本ポスティング機構、全日本ポスティング協会など団体も数多く設立されましたが、1番古い設立団体でも日本ポスティング協同組合で1999年、弊社設立の翌年ですから。
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事業を始められた当時は、お1人でやっておられたんですか?
- 安倍代表
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1人ですね。従業員は誰もおりませんでした。自分で荷造りをして、チラシを折ってくれる内職の人を探して、ポスティングをしてと全部1人でやりました。でも楽しかったですよ。
枚数、件数が多くなるにつれて、人を採用しないといけない状況になり、徐々に人数が増えていきました。
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当時1998年頃のポスティング需要は、いかがだったんでしょうか?
- 安倍代表
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時代は、まだ新聞折込主流でしたね。今でこそ、少なくなりましたが、当時は「ポスティング?それって何?うちは大丈夫だよ、新聞折込頼んでるから」って営業をしても回答をされていました。そこで「いえいえ、そのチラシを弊社では1件1件ポストに入れていくんです」「それは何?」って流れで興味を持って頂き、お話する事も多かったです。
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そこからの長い苦労があって、今の株式会社 エーヴィックコムがあるんですね。
- 安倍代表
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そうですね。でも、楽しかったですけどね。立ち上げから3年間、苦労はもちろんありましたが、実は切実な心理的状況ではなかったんですよ。無責任な感じに聞こえるかもしれませんが、ダメだったら辞めればいいと思ってましたから。だってね、普通事業を起こせば、どんなものでも資本金が必要じゃないですか。でも、それがこの事業の場合は必要なかったので、身軽ではありました。今でこそ、違いますが、昔はそういった設立の簡単な背景からも、同業社が竹の子のようにポコポコとできていました 笑。
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ですが、簡単ということは、継続していく事が難しいともいえますよね?
- 安倍代表
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その通りです。そこが大変ですよね。お蔭様で口コミやら代理店様からの受注やら、5年目以降も仕事を多く頂き、設立10年目には、上げれるか心配だった年商も2011年で1億を超えることができました。
15年前までは、まだ新聞折込が強かったんですが、新聞の購読が減るにつれて、ポスティングが注目されるようになっていき時代の流れの後押しもありました。現在では大手代理店などもポスティングの部署を設けているところが普通にあると思いますが、そういった事例も含め、世の中がポスティングを求める発想に切り替わってくれていったと思います。
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そこから、インターネット事業など様々な他事業へ波及して行かれたんですね。また、サッカーのイベントや講演会などの派遣事業もやられておられるとの事で、非常に印象的ですが。
- 安倍代表
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そうですね。18・7年前ぐらいのインターネット普及率が44%ぐらいの時代に、ハイテクな部分も平行してやって行こうと思い事業をスタートしました。まだ名刺にホームページのURLアドレス入れるのが制作目的のような時代で、ホームページ自体もっていない会社様も多い時代でした。9年前までは「まだ紙でウチはいいよ」という方も多かったですね。過去には「Qlepつくば」というポータルサイトなども実施させて頂きました。
派遣事業は、株式会社 釜本企画と株式会社 11aside (イレブン アサイド)という企業に知人がおり、その繋がりから派遣事業をさせて頂いております。
誕生会の様子
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現在、従業員様は何名おられますか?
- 安倍代表
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平均年齢は、40歳前後です。若い人も多く20代の人も多いです。既婚者と独身者では、半分半分ぐらいですね。正社員、パート、アルバイト、在宅スタッフを入れて67名ぐらいです。
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御社の強みとは何だと思いますか?
- 安倍代表
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クライアント様の要望に必ず応えて、120%の結果を出していくという、お客様第一のサービスを常に貫いています。そして「誠実・実行・遵守」。真面目さが大切だと思います。また、そうでなければ、この業界はダメだとも思っています。だってね、少し前まで「本当に配ってるの?」って聞かれること、本当にありましたから。「まーもー、その次元は捨てましょうよ」と言ってますけれどもね。
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20年を振り返り、事業を長く継続していくことが出来た要因は、何だと思いますか?
- 安倍代表
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人ですよね。何かしら携わってくれた人。その人のお陰で今があるんではないでしょうか。
私にも、感謝している人がいます。山崎さんというポスティングスタッフをしてくれた方で、10年間スタッフとして働いてくれました。会社設立時、この業種がビジネスとして成り立つのか不安に感じながら、苦労も多い時期がありました。ある時、ポスティングの現場に顔を出すと、その山崎さんが担当している現場で、それが、とにかく素晴らしい動きで、こういう風になれるんだなと。感動したと同時に「この業界成り立つかも、成功するかも」と、その方のお陰で思ったんです。
彼女には、後に心からの感謝状を送らせて頂きました。ちゃんと額に入れてね。
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当時、その山崎さんという方は何歳ぐらいの方だったんですか?
- 安倍代表
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私よりも3つ下で、34歳の主婦の女性でした。だからかな、弊社のスタッフは、今でも主婦が多いんですよ。約7割の方が主婦です。家事や育児の合間の動ける時間を活用して、ポスティングをしてくれています。
弊社では、担当地域に撒いてほしいチラシの配布完了日は、その日中ではなく2日ないし3日内で配布をお願いしています。そういう意味でも主婦の方にも無理なく時間を調整しながら仕事をする事が可能です。でも、昔に比べると募集で来てくれる人は1/10に減りましたね。
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社員様とのコミュニケーションで気をつけている事などございますか?とても皆さん明るい良い雰囲気の方が多いですが。
- 安倍代表
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思ったことは、私は口に出すようにしています。自分から声がけもしていますし、朝も早く出社して社員には朝は「おはよー」、夜には「お疲れさーん」って挨拶しています。普通は目下の者が目上の者に声をかけたりするイメージが強いですが、そうではなく弊社は私から。元気がなければ「どうした?」など、頻繁に声がけをするようにしています。
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食事会なども実施されていますか?代表はお酒は飲まれますか?
- 安倍代表
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とっても飲みますね 笑。
弊社はね、そういった福利厚生の部分は頻繁に実施しています。飲まない子でも必ず参加していますね。大人数なのでお店を貸切で実施したり。あとは、年に2回のボウリング大会やゴルフコンペなど、他にも沢山実施してします。
エーヴィックコム ボーリング大会の様子
エーヴィックコム 親睦ゴルフコンペの様子
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そういうところから、チームの団結力や助け合いの精神は生まれますよね。新しく入った人も、すぐに仲良くなっていくでしょうしね。
- 安倍代表
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弊社にお客様がいらっしゃると、「社長の会社の人は、皆んな明るいよね」って言われます。チーム団結力もあって、有難いですよね。本当に自慢できるところです。ですから「1人が転ぶことがあっても、誰かがフォローして行こう」というような気持ちをもっている人間は多いです。そして、自分が転べば助けてもらえる。「お互い様、お蔭様」って感じでね。
エーヴィックコム 葉桜見会の様子
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今後のポスティング業界は、どのように変化していくでしょうか?
- 安倍代表
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新聞購読の所帯の減少とともに、折り込み広告市場が減少しているのは事実としてあるでしょうが、ポスティング市場だけでいえば、ウェブに誘導するポータルな部分も含め、広告チラシの需要は衰えていないと思います。あくまで想いも入りますが、右肩上がりで成長していくと思います。
以前は、「業種」「業界」としての認識が希薄であった部分がありましたが、サービス業としての認識向上やポスティング業種としての認知度向上にも、業界全体で力を入れて行こうという動きもあります。私としては、このような動きも含め、業界としてあと50年は延びて行くのではないかと考えています。そして、もちろん、その波に弊社も乗っていきたいと思っています。理念である誠実さを実行しながらね。
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最後に今後の夢や展望などありましたら、お聞かせください。
- 安倍代表
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私なりのペースと出来る範囲になりますが、10・20年先まで継続できるような社会貢献をして行ければと考えています。そして、弊社で働いてくれる人達の生活を守る事ですね。プレッシャーですね 笑。
良い流れを作れるように、頑張っていきたいなと思います。