Benefit Realize(ベネフィットリアライズ)〜茨城県の魅力を発信するウェブマガジン〜

Interview

大切な愛犬、愛猫を 生涯にわたり飼い主様の代わりとなり、 お世話致します。

年の暮れ、電話口の向こうで泣き崩れた依頼者の飼い主様…。愛猫の様子の報告を何より楽しみに、高齢者施設で暮らす飼い主様…。命ある生き物を自分の都合で放り出すことはできないと考える飼い主たちは多い。その人たちが最後にたどり着く星(Planet)がある。それが犬猫プラネットだ。

――猫や犬の生涯飼育という事業をされているそうですね。どんな内容かご紹介ください。

藤井
奥本

今まで飼ってきた猫や犬を何かの事情で飼い続けられなくなったとき、その子を引き取って、寿命をまっとうするまでお世話をする仕事です。

ペットホテルのように「預かる」のではなく、責任をもって飼い主様の代わりを務めさせていただきます。茨城県の鉾田市に広い土地と家があって、現在はそこにお預かりの猫がいます。

それぞれに、当社に来ることになった切ない事情があります。

――今までで印象的だったお預かりの経緯を教えてください。

藤井
奥本

事業を立ち上げて最初にうちに来た猫が、昨年の12月に亡くなりました。さび色の毛の、いわゆるさび猫でした。渋谷に住む高齢のご婦人の飼い主様のお宅まで車でお迎えに行きました。初めての子ですし、亡くなったときは私たちも精神的にきつかったです。

それからちょうど一週間後の12月30日、都内の女性からご依頼の電話がありました。よほど辛かったのか、引き取り可能だとお伝えすると「よかった…」とそのまま電話口の向こうで泣き崩れられました。せめて自分で送り届けたいとおっしゃって大晦日に見えられて、猫用のキャリーバッグから出てきた子を見ると、一週間前に亡くなった子と全く同じさび猫だったんです。

あれはもう、私たち、一瞬息を呑みました。あの子が帰ってきたかと思って…。

――そんなに気持ちを入れてお世話をされているとは驚きです。

藤井
奥本

それだけ責任をもってお預かりしているということです。事業所を株式会社にして、お金を頂戴してお預かりしているのも、責任感からです。
持ち出しで続けるといずれ限界が来ますからね。当社にもボランティアと間違えて電話をしてくる方はいます。
そういった方の心ない態度にはめげそうになりますが、真剣に問い合わせてくる方は全員が「こういうところがあって良かった」と感謝してくださいます。

――有償で引き取ることについて、お客様の反応は?

藤井
奥本

お金をとってくれてむしろ安心するというお声が多いです。想いを聞き届けてもらえる気がするのではないでしょうか。
我々も、株式会社にしてからのほうが、手綱が引き締まった感覚があります。

――これからについて、どんな夢を持っていますか?

藤井
奥本

鉾田の家のまわりの土地を買い、もっとたくさんの犬や猫が暮らせる大きな施設を建てたいです。そのときには従業員を雇い、社会保険を完備して、社員寮も構えてあげたいです。

オリンピックを開催する国が、裏では何十億円も掛けて殺処分を行っているんですから。この現状をなんとかしたい。殺処分ではなく、生かすことも増やさないことも出来る筈です。

犬猫プラネットの代理飼育の事業は、まだまだ世間には浸透していません。小さな命大切な命のために、代理飼育業を知ってもらう工夫をしながら続けていきます。