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Interview

稼働できる場所を必ずどこかに。 人材こそ宝と考える経営者の「いずれ来る日」への深謀遠慮

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茨城県は常総市で30年以上続く野村産業は、解体工事の割合が増えて以来、現場で出るコンクリート塊からリサイクルした砕石を販売する事業を始めた。認可が出れば社外からもコンクリート塊を引き取れるようになると言うが、なぜそうしたいのか? それこそ、野村勝則社長の、福利厚生への想いだった。

――ホームページに「おかげさまで創業30周年を迎えました」と書いてあります。あれはいつのものですか?

野村

2010年ですね。弊社は私の祖父が始めた会社です。1980年でした。父が後を継いで、私で3代目です。

――会社を継ぐために、早くから社内で帝王学を学んでいた?

野村

そうでもないです。大学を出て最初は、父の知り合いの建設会社に修業に入りました。そこは建築、土木、公共工事と建設全般をやっている会社で、31歳で野村産業に入るまで丸8年間お世話になりました。父とその会社の社長との間では既定路線だったみたいですね。時期が来るまで預かって教えるというのは。

――今はどの分野の仕事が多いですか? そして強みは?

野村

主に解体と造成です。件数は少なくなっていますが、外構も土木も舗装もできますよ。
昔は公共工事もやっていました。強みは、一度仕事をいただいたら大体はそのお客さんの紹介で新しく仕事をいただけること。それぐらい実力を認めてもらえているんだと思います。

うちは、やるなら徹底的にやる。一切手抜きしませんからね。

――ヘルプの職人も含めれば一現場に15名ぐらいは入ると思います。メンバーのまとめ方は?

野村

特に決まったやり方はないです。若いスタッフはいったん仕事を覚えたらおもしろくなって自分から段取りを考えて動きますから。重機の資格も会社のサポートで積極的に取らせていますし。

――今日は企業の福利厚生についても考えをうかがいたかったので、サポートのお話は興味深いです。

野村

4~5日で取れる資格だから、それぐらいは現場を外れても大丈夫なようにさせてあげないと。あと、長期的にはリサイクルセンターを始めたいです。
解体工事で出るコンクリート塊を再生砕石にするリサイクルでして、設備はあっても会社の立地的に認可が取れなかった弊社と、その逆で、認可は受けていても設備がないもう一社と、共同で始める話が進んでいます。

実現すれば他の業者の解体工事現場からもコンクリート塊を受け入れられますし、従業員にとっても、今より良い福利厚生になるのではないかと思います。

――リサイクルセンターが福利厚生になるという、その意味は?

野村

体力がいる仕事なので、毎日現場で働くのはだんだん年齢的に難しくなります。そうなった時に、現場に出なくても稼働できる場所が社内のどこかにあったほうがいいじゃないですか。つまり受け皿です。ぜひ実現してあげたいですね。

――経営者の会合にも参加しているようで、受け皿の発想が自然に出てきたのはそのせいでしょうか。

野村

7年参加する間に見聞見識が広がったのは確かです。20代の若者から、定年後に起業された70代の方までいらっしゃって、いろんな業種の経営者様のお話が聞けるので勉強になります。
北海道から沖縄まで全国に知り合いができたのも良かったです。

いずれにせよ従業員は宝ですから、まずは今いるスタッフに定着してもらって、ゆっくり、一歩一歩展開していきます。