Benefit Realize(ベネフィットリアライズ)〜茨城県の魅力を発信するウェブマガジン〜

Interview

財産は社員、世の中からの贈り物。
終身雇用が崩れ去った「今」だからこそ、働ける居場所をつくりたい。

株式会社茨城荷役運輸は、茨城県を拠点とし運送・人材・倉庫荷役・産業廃棄物の収集など幅広い物流サービスで関東全域へと展開する、急成長中の注目企業。今年で創立14年目「100年永続企業」を目指していると笑顔で語る雨谷代表。「社員を『家族』と思い、『「普通の企業」を目指している』と語るその真意とは?」代表の思いに迫った。

まずは御社の歩みの部分からお伺いしていきます。平成16年にトラック一台で事業開始された当時、雨谷代表お一人で事業を開始されたのでしょうか?

そうですね。もともと私はこの業界に入る前、フリーターだったのですが、その当時、ちょうど先輩が独立したばかりで、社員を雇うほどお金がなかったという事と、私自身もフリーランスのような感じで、それこそこの業界は、繁忙期は忙しいですが、仕事がない時は本当にない状況で、波がある為、先輩の仕事がある時にだけ手伝うような、いわゆる作業員みたいな感じだったですかね。

その当時から独立願望はあったのでしょうか。

全くなかったですね。普通に遊び歩いていただけなので。仕事はしたくなかったですね(笑)。

いつ頃から会社組織(法人化)にしようと考え始められたのでしょうか。

個人事業主としてこの業界に関わってきて、10年やってきた一つの節目として法人にしようと考えました。始まりが21歳でこの業界に入り、31歳になった時には、当時抱えていた従業員でいうとやっぱり256歳になってくるので、社会保険の問題であったりだとか、子供さんとか結婚などの問題が出てきたので、そういった部分で法人化して福利厚生など、普通の一般企業と同じようにやっていかなくてはいけないというような方針で、考え方が変わっていったというような感じですよね。

お話しを伺ってますと、こだわりとして「企業」、「会社組織」としてやっていきたい。ドライバーさんに関しても労働者(作業員)としてではなく、「会社員」として仕事をやっていきたい。という思いがひしひしと伝わってきます。

そうなんですよ。どうしても自分が運転手あがりなのでよくわかる事なのですが、運転手の地位向上ではないですが、周りからするとまだまだ扱いが悪いという部分があるんですよね。まあそれも私達のやっている事というのが、「空気」を運んでいるようなものなので。。要するに何かをつくって感謝されるような有形な仕事ではなく、AからBへ物を運んで初めてお客様からお金を頂くように、私達の仕事は形になる商売ではないのでね。

運転がお仕事になると、やはり毎月定期的に安全講習を徹底されているのでしょうか。

はい。それは必ずやります!ここまで従業員が増えてくると、従業員の事だけではなく、その従業員の家族にも関わってくる重要な事なので。

他方で、御社のHPを拝見しますと、BBQや、食事会などわきあいあいとした雰囲気の様子がみてとれました。レクレーションなども定期的に行っているのでしょうか?

それも定期的に社員同士の合間をみつけてはちょいちょい行っていますね(笑)

今、社員様の年齢層的にはどのような感じでしょうか。

平均年齢は32歳くらいでしょうかね。一番下の年齢で2122歳くらいでしょうか。

ここまで社員様も増えてくると、雨谷代表としても従業員をまとめていくのにどうでしょうか?難しさは感じておられますか?

うですかね。今は昔と比べて少し変わってきている点として、昔はまぁ不良少年が土工や鳶職、運転手などやっていくイメージがあったのですが(笑)、今は3K(きつい・汚い・危険)になってしまい、人気がない職業というイメージがありますよね。

言うなれば、チャンネルでいうと昔はヤンキーだったのかもしれませんが、今はマイルドヤンキーな人材になっていますよね(笑)まあマイルドヤンキーなのでそれはそれで、ある意味、まとめていくのは難しいですかね。

なるほど(笑)。御社は年々従業員数が増えてきて、企業としても運送会社の中では急成長をされているという事ですが、今振り返ってみて、急成長してきた理由はなんだったのでしょうか。

ん~、弊社で働いている社員の年齢層は若いという事で、時代と共に徐々にお客様のニーズによってご利用形態が変わっても、その形態に合わせられる柔軟さを持っている、要するに固定観念がないのが一つではないでしょうか。それから、この業界自体が保守的な傾向にある中で、弊社としては革新的にやってきているので、お客様の手間にならないように、ご要望・変化に合わせた(察した)形で輸送形態や、提案ができている点ではないでしょうか。

「業界自体が保守的な傾向にある」とありましたが、お話しを聞いていますと、そういったイメージを変えていきたい、払拭していきたいという思いがあるのでしょうか。

そうですよね。私達の仕事はあくまでも運転手で、イメージとして職人さんに近いところはあるのですが、それはやはり企業として、会社員としてみられるような形の組織を目指していかなければ、という思いはありますよね。

どうしても個人事業主や、自営業というような小さな会社の見方をされて、どこへ行っても扱いが悪いという部分がありますが、ただ、決して自分達を卑下する必要はなくて、大震災の時もそうでしたが、日本経済の中で最終的なエンドランナーとしての役割を担っている為、なくてはならないものであることは確かですね。

このインタビューをする中で必ず経営者の皆さんにお伺いしていることですが、日頃面と向かっては言えない社員様への思いを聞かせて下さい。

誤解を恐れず言うと、うちはお給料もいっぱいあげることもできないですし、休みをいっぱいあげることもできないです。はっきり言って。あげるつもりがないです。うちはいい会社を目指しているので。どういう事かというと、最終的には会社が今後生き残って、今の社員が、弊社で働いていく中で結婚して、終身で65歳まで働ける環境を目指しているので。

会社の運営がおぼつかない状況であれば結局社員がそれこそ家も買えないじゃないですか。一時、社員にはお給料がいいとか、休みもいっぱいとれる会社っていいなあと言われるのかもしれないですけど、そういう会社ってやはり長続きしないじゃないですか。周りにもやっているところありますけど、うちは継続出来る会社を目指していかなければいけないので。

なるほど。周りをみて、色々感じる中でそのような思いが芽生えてきたということですね。

弊社は100年永続企業を目指しています。5年で潰れてしまう会社も非常に多い中で、それを継続的に135710年というように、その都度ずっと会社として時を刻んでいく事。それには先程の話じゃないですが、うちは給料も、休みもいっぱいあげることも出来ない。でもある程度の生活の基盤として、社員が結婚して、子供を産んで、子供を育てて、家を買ってというような一般の会社員として、生活が出来るような環境にしていく事は目指しています。

これはきれいごとではなくて社員の奥さんであったり、子供さんであったりが同じ家族であるぐらいの思いで共に人生を歩める、付き合えるような会社。それが、『弊社が「普通の企業」を目指している。』という今の現状ではないでしょうか。